あしがらアートの森の歩み

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“子どもアートと家族アート”、このフィールドは、日頃より足柄地域が中心となりうる、十分な素材と価値を持っているのではないかといつも感じています。
日本全国の健康な子どものシンボル、神奈川県西部にある足柄山の金太郎のふる里なのですから。

 
 
 

 

 
旧北足柄中学校と足柄平野の眺め

 
 アートが生み出す地域の可能性

 20103月、南足柄市内山地区にあった北足柄中学校は生徒数減少のため廃校となりました。20123月、旧北足柄中学校の有効利用を目指して市民の有志グループがFamily Art event、「『あ』っと始まる『ア』―ト『あ』しがら」を始めます。同年11月、「あしがらアートの森」と名称を変更して実施。それ以降、毎年11月中旬に開催して現在に至っています。
旧北足柄中学校を再整備し、経年で使用できるようにしようという計画が一時持ち上がりました。しかし、私達は参加者数の増加と共に、廃校となった北足柄中学校の有効利用には、「子どもアート」等による利活用が合うように感じ、「利活用の具体的な方策等」の提言も行っています。
さて、「子どもアート・家族アート」に特化した美術展とアート・ワークショップを加えた総合アートイベント「あしがらアートの森」は、初年度の参加者は530名でしたが、5年目には2500名を超え、9年目の2019年度は3日間で3000名を超えるまでになっています。少しずつ、Family Art event「あしがらアートの森」が地域に知られるようになってきたことを感じます。
アートイベント事業を進めて行くうちに、子どもを対象に造形教育活動を継続的に行うことは出来ないか、もっと地域に根ざしたアート活動につなげられないか、その思いは、アートスクール「森のアトリエ・北きた」という形となって現れました。今までの胸のモヤモヤ感がすうーと消えていきました。不思議です。
幸いにも、長年、地域における造形教育に実績のある先生方の協力もあり、「森のアトリエ・北きた」は20175月にスタートします。現在は年齢別に4コース、90名を超える子どもや大人が、いろいろなアート活動を楽しんでいます。

思い出に残る、3つの「あしがらアートの森」 

 
1、オランダ・チュルブルグ市と「2018あしがらアートの森」
南足柄市はオランダ・チュルブルグ市と姉妹都市交流を行っています。2018年はチュルブルグ市からの交流派遣団の受入年でした。この年の交流テーマは、2016南足柄市から派遣された時の交流テーマ「アート」と同じでした。
交流プログラムに「2018あしがらアートの森」が選ばれ、チュルブルグから来た10名の交流団員は最終日に参加して、日本の子ども達の絵を楽しみ、いろいろなワークショップを体験し、お昼には和太鼓の演奏に飛び入り参加するほどの人気でした。
夜の打ち上げパーティも大盛り上がり。交流プログラムで、「あしがらアートの森」が一番楽しかったという声も聞かれました。
 
2、「2020あしがらアートの森」は、「22世紀内山未来美術館」に
 2020年、「新型コロナウイルス」の影響に振り舞わされた年となりました。開催形式を巡っては、最後まで悩み、過密を少しでも避けるため、初めて「美術展中心のあしがらアートの森」となりました。
美術展だけでは開催内容の寂しさ感は出ます。考えた末、校舎と体育館のすべてを「22世紀内山未来美術館」に見立てました。美術展名も「世界は一つの美術展」と改称。新型コロナウイルスが社会にもたらしていた閉塞感への最大限の抵抗でした。
この年の「あしがらアートの森」は6年前と同じ参加者数に戻りましたが、新型コロナを乗り越えたパワーは、「アートの森」の小さな歴史に、忘れられない最高の1ページとなって刻み込まれました。
 
3.予測が外れて慌てた「2015あしがらアートの森」
 前年の2014年は、3日間で1800名の参加者でした。駐車場スペースや人員配置、ワークショップ数も前年の予測範囲で準備を進めています。
開催初日、開催時間前から受付が混雑し、来場車がどんどん入ってきます。ついに会場までの山道に渋滞が発生して係から援助の声が入りました。急いで、スタンプラリーで用意していた金太郎アメを配りながら、「これ舐めて、もう少し待ってね。」と声かけをして回りました。晩秋でも、もう汗だくです。
後で、初日の参加者が1000名だったことが分かりました。この体験から、駐車スペースづくりと場内の通路帯の見直し、そして誘導員の増員の重要性に気づかされた、とても記憶に残る「2015あしがらアートの森」となりました。

 
 
 
   
 
 
 
   
           
 
 
 
    
チュルブルグからの交流団と 

これまでの活動場所 ~旧北足柄中学校~

 
 
 
2021年 南足柄市による「旧北足柄中学校活用事業」の募集がありました。

足柄アートの森は、地域社会の活性化につながる事業として活動してきましたが、協議の結果、旧北足柄中学校での開催を断念せざるを得ず、神奈川県立足柄ふれあいの村主催事業「森の大地祭」と合同で行うことになりました。
 
 
 旧北足柄中学校での活動は、10年になりました。今まで応援して下さった皆様に感謝、感謝です。
どんな状況でも、子どもと家族のアート活動は続けていきます。これからも、私たちの活動にぜひご協力・応援をお願いいたします。

年表

昭和22年 北足柄内山の旧海軍研究所1棟と仮校舎として開校。
      生徒数118名。
昭和23年 「三本松の丘」と呼ばれる現在地に移転。
      旧外国人別荘を改造して校舎とした。
      生徒も連日整地、石や木材の運搬に従事した。
昭和30年   市町村市町村合併。北足柄村が南足柄村へ。
     勤労教育が尊重され学校でも様々な作物を育てた。
昭和32年 創立10周年。校旗、校歌の制定と校章の改定。
昭和34年 生徒会費用に充てるため、「ふき採り」と販売を開始。
     以降、伝統行事となる。
昭和40年 シンボルであった三本松が害虫と落雷により枯死。
     惜しまれて伐採。
昭和52年 創立30周年。翌3月、校地内の野口英世像設立。
昭和54年 現在の鉄筋二階建て新校舎落成。
昭和63年 創立40周年記念に2代目の「三本松」植樹。
平成09年 創立50周年記念式典。全校生徒による演劇活動開始。
平成22年 北足柄中学校閉校式
 
 ~63年間で1910名の生徒を送り出し閉校~

北中から望む秋

 

H18年丘の上の北中